IMG_0046

「子会社社長」の1on1は「バリエーション」に秘訣あり

前回のエントリーでは、サイバーエージェントの「子会社社長」の若手代表とも言える須田氏に同社の人材戦略の強さ、秘訣について伺った。

[参考]「子会社社長」が考える、サイバーエージェントの人材戦略の強さとは?
https://blog.geppo.jp/blog/suda-shunkai1

 

今回のエントリーではより具体的なマネジメント手法、特にメンバーとの1on1、面談術について話を聞いてみた。キーワードは「バリエーション」だ。 

「聞いてあげる」だけではダメな時がある

須田氏は2年目でマネージャーに昇格し、3年目から子会社社長に就任したが、それに奢ることなく1on1などの場では謙虚に「聞き役」に徹していたそうだ。多くの1on1の指南書において、「上司は『聞き役』に徹すること」と書かれていたし、実際それが正しいと思って実行していた。しかし、

 

「ただ聞くだけだと、動けない場合やスピードが鈍化する時もある」

 

実際に面談を重ねていく中で、上記のように考えることが多くなった。自分よりも経験の少ない若手の社員は仕事に対する考え方や、戦略への理解度はまだまだ低い。武道やスポーツで言えば「型」のない状態であり、その状態の人間に「話す自由」を与えても、必ずしもうまくいくとは限らない。 

[参考]強い組織を作るための1on1ミーティング
https://blog.geppo.jp/blog/1on1mtg

[参考]「納得感」を作り出すサイバーエージェントの流1on1「月イチ面談」
https://blog.geppo.jp/blog/tsukiichi-mendan

 

「話を聞くだけ、というのも一種のマネジメントの責任逃れ。場合によっては道を指し示して上げることや、上司の意思をきちんと伝えてあげることも必要。」

須田氏は試行錯誤の中でそのような結論を見出していった。特にまだ型のない若手の場合は、彼らの思いや志向性に耳を傾けつつ、上司からの期待や組織のベクトルをきちんと伝える。そしてきちんと伴走をしてあげ、彼らに「型」を渡してあげる。

 

そしてある程度「型」ができて来たら、はじめて「聞き役」に徹し、裁量を与えていく。言うは易し、非常に高度なマネジメントだが、ポイントはマネジメント手法の「バリエーション」である。 

複数の上司から学んだ「バリエーション」

須田氏はメディア事業部時代、1社目の子会社時代、2社目の子会社時代と全部で3人の現役役員の直下でマネジメントを経験してきている。それぞれがそれぞれに特徴的なマネジメント手法で、彼らを須田氏はロールモデルとして、良い部分を吸収しているのだ。

詳細はここでは書くことができないが、例えば事業責任者としてのマインドセットは一人目の上司に深く学んでいるし、「権限委譲の仕方と成果へのコミットメント」は一つ前の子会社時代の担当役員に徹底的に鍛えられている。 

直上の役員だけではない。身近な先輩たちからも吸収する謙虚さを持ち合わせている。スキル面ではAさん、自己研鑽の仕方についてはBさん、と須田氏の口からは幾人もの「ロールモデル」の名前が出てくる。こうした貪欲かつ謙虚な学ぶ姿勢が、臨機応援な対応を可能とするマネジメント手法の「バリエーション」につながっているのだろう。

著者が若手のマネジャー、リーダー研修を担当していた時も、この「バリエーション」を意識して研修を設計していた。例えば「マネジメント千本ノック」という研修がそれだ。

  • 100本の人事課題(例えば退職相談をされたときどうするか、目標設定を適切に設定するためにどうするか、など)に対して、若手マネージャーに考えてもらい、発表してもらう。
  • その発表を受けて、講師である複数名の先輩マネージャーが「自分だったらこうする」というそれぞれの回答を発表する。当然回答はバラバラ=バリエーション豊かになる。
  • そのバリエーションをそのままに若手は吸収し、自分の血肉とする

 

上記が「マネジメント千本ノック」の概要だが、こうすることで一つの事象に対して複数の解決策を持つ事ができ、臨機応変に対応することが可能になる。 

なぜこのような研修を取り入れたかのかといえば、変化が激しく、働く個人の価値観も変わっている現代において、一つのマネジメント手法にとらわれるのではなく、いくつものバリエーションを持って最適な出し分けをしていくほうが今の時代には適っているからだ。自身のマネジメント手法に疑問が出てきたら、須田氏のように近くのロールモデルを見つけて、新たなバリエーションとして吸収してみたらどうだろうか。

 

20190508_geppo_news