図1-19

サイバーエージェントには毎年200人を超える内定者が存在しますが、そのうち約7割が「内定者バイト」を経験します。サイバーエージェントは2000年代前半より内定者バイト制度を開始しており、IT業界でもいち早くこの制度を導入し、運用し続けている会社ではないでしょうか。

今回は、内定者のリテンションや新入社員のスタートダッシュに効果的なサイバーエージェント流の「内定者バイト」について迫りたいと思います。

■基本は「就業型」、社員と変わらない扱いを。

サイバーエージェントのインターン設計の根本思想は「リアル」。無理に着飾ることなく、隠すこともなく、ありのままを伝えることをポリシーとしていますが、「内定者バイト」においてもその考え方は貫かれています。

内定者だからといって過保護にすることなく、他の社員と同じように責任を任せ、努力をしてもらいます。雇用形態がアルバイト、というだけで、実際の業務内容にそこまで違いはありません。

内定者バイトの実施期間は人によって様々ですが、内定承諾が早く、時間にゆとりがある内定者は入社までの期間の半年以上を内定者バイトに費やすため、入社時にはひとつ上の社員らと遜色ない実力を身に着けていることもしばしばあります。

■「内定者バイト」はどうして波及していったのか。

内定者バイトは人事から薦めることはあっても、決して強制することはありません。自由意志に任せ、責任を持って判断することを尊重しているからなのですが、それでも多くの内定者が内定者バイトを行うのはなぜなのでしょうか。

その理由の一つは、ナナメンというメンター制度や、頻繁に行われる内定者研修による情報共有にあると思います。

サイバーエージェントでは「入社式=スタートライン」という概念がなく、スタートラインは自分で決めるもの、という考え方があります。したがって、自分よりも数歩先に行っている内定者同期の話はとても刺激的ですし、実際そうした「内定者バイト卒業生」の多くはとても活躍します。

そうした活躍の情報が多面的に共有されることにより、「自分も積極的にやらなければ!」というモチベーションが湧いてきて、高い内定者バイト実施率につながっているのだと思います。このようになにか施策を行った場合、その施策結果が共有される「場」「機会」の設計は非常に有効です。

■内定者バイトができない人材へのフォローは?

一方で、どうしても内定者バイトができない内定者も存在します。単位の問題やエリアの問題、大学院生などであれば研究発表などで忙しく時間的に難しいなど、理由は様々です。

当然、こういった人材へのフォローは手厚く実施します。人事からの面談はもとより、先程も挙げたナナメンなどのメンター制度を活用し、入社時までの差があまりつかないようにケアを継続します。

特に地方学生や国外の学生に対するフォローは難しく、場合によっては社員が出張してケアを行うこともあります。

■内定者を入社式までに戦力化

内定者バイトは、内定辞退の防止策という文脈で語られがちですが、その本質は入社時の戦力化にあります。人事や受け入れる部署もこの考え方をきちんと理解し、戦力になるべくきちんと育成と向き合う努力が求められます。